奥河内に残る鬼伝説を追う!

ぶらりと出た旅先で時々、おもしろい里伝説に出会います。和歌山・奈良県境で大阪奥河内の山裾に南北朝時代の所縁ある天野金剛寺があります。河内長野は当時の天皇・上皇の行宮地あった地域で重要文化財も多い観光名所で、高野山に向かう巡礼の高野街道など中世ロマンの妄想散策が楽しめます。後村上天皇・楠木正成の所縁ある観心寺近くの神ガ丘地域は、古刹延命寺がひっそり佇む鬼住村に鬼夫婦の伝説が残ります。

鬼住村の鬼伝説とは

古文書に残る鬼住村って何?

鬼伝説は長野公園の5エリア内一つ、奥河内の神ガ丘にある延命寺地区に伝わります。楠木正成で有名な観心寺の古文書にも残される鬼住村伝説の時代背景は鎌倉時代末期ごろと思われます。泉州血濡(チヌ)山に大きな男鬼と河洲鬼住村の女鬼が村人に悪さをするため、村人が領主に頼み鬼退治の募集しました。勇気のある若者が挑み、達者な弓矢を使って果敢に戦って鬼退治を果たしました。

鬼の嫌う桃ノ木や鬼のタライ・鬼のフチ、鬼の塚が有って昔は名残りが有ったようで、鬼の塚で毎年1月6日に鬼退治の古式に従った弓射る行事もありましたが近年になって廃止されました。

鬼の痕跡残る石見川

鬼夫婦の遊び場だった鬼住橋

薬樹山 延命寺に向かう参拝道は、昔々鬼夫婦の棲む石見川が沿った山里路でした。近年に地名の鬼のイメージを嫌って鬼から神に変えられて神ガ丘になりました。

山里の地名は変わったものの石見川にかかる苔むした鬼住橋に、鬼夫婦が戯れていた面妖な鬼の盥が有って鬼の生活痕跡が今も漂い不気味に感じます。

鬼夫婦戯れていた鬼のたらい

石見川の清流には鬼のたらい(盥)場が有って、たらいの由縁が不詳ですが鬼夫婦が戯れていたそうです。川沿いには鬼の洞穴跡や炭酸ガスが湧く川底があり、時々炭酸ガスの泡がボコッボコと浮きます。

くぼ地に比重の重い炭酸ガスが溜まり、無酸素状態になった所に虫が死に落ち溜まります。虫を食べに入った鳥も窒息死することで鳥地獄と呼ばる辺りは、不気味で鬼棲む雰囲気があります。

鬼伝説が残る延命寺

雰囲気漂う薬樹山 延命寺

弘法大師ゆかりの古刹は紅葉名所としても有名で、伝説の鬼退治で村人が使った桃の木で作られた弓が寺宝に保存されています。鬼退治の褒美に上田の姓を賜った村人の子孫一人は後に、高僧・浄厳和尚となり延命寺の中興の祖として名前が残ります。

境内には浄厳和尚や楠公八臣一人の和田正遠、天誅組ゆかりのお墓があって古の歴史を偲べます。

魔除けにも感じる鬼封じの鳥居

境内の参拝道沿いには様々な表情の石仏が並び参拝者を出迎えて見守ります。参道沿いに一際美しい樹齢1000年とも言われる幹回り5mもあって、根元で幹が2つに分かれる「夕照の楓」は近年枝枯れ目立ち元気がありません。

境内蓮池の前に邪気を払うように構える鳥居は、鬼を封じるかのように鬼門方角に立っています。

鬼伝説へのアクセス

電車での行き方

最寄り駅は南海高野線三日市駅で、駅から徒歩で鬼住橋に向かいます。約40分ほどの田園風景が楽しめる散策路は、住宅地を抜けると普段は人の少ない静かな石見川沿いに着きます。たまに観光者や延命寺の参拝者と出会うこともありますが、日暮れになると周りは薄暗くひっそりと不気味です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です